日本だけではなく、世界的に生涯学習の意義が注目されています。
社会における生涯学習の重要性を認識しているのです。
すべての人に学習の機会を与えると言う理念は素晴らしいのですが、その陰で課題もあります。

生涯学習が充実した社会になるとどのような問題が出てくるのでしょうか。
それは生涯学習に積極的に参画する人とそうではない人の間に溝ができることです。
人が学習意欲を持っている場合はいいのですが、すべての人がそうとは限りません。

参加しない人は社会的に排除されていくことになります。
これは年齢にかかわらず発生しうる問題です。
若い世代でも同じ課題があるのです。

生涯学習の先進国であるEUではすでに社会問題となっていると言われています。
この社会から排除された人々をどのようにして引き込むかが大きな関心事となっているのです。

これらの現象はITの発達によって拍車をかけていると言われています。
ITが学習の結果として、経済的な利益を与えるものとなるからです。
そして、ITを利用できる人と利用できない人の間に大きな差が出てきます。

そのような課題を解決する手段として考えられるのは仕事を与えると言うことだそうです。
仕事をすることによって社会とのつながりを保つことができるのです。

自分の役割が社会の中にあることを実感できるからでしょうか。
日本における生涯学習は地域のカルチャーセンターの形態がメインとなっています。
そのために社会で仕事をしている世代にとっては生涯教育の恩恵はないに等しいのです。